津川雅彦

定価: ¥ 9,975
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発売日: 2006-04-27
発売元: 松竹
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作家性とは?
★★★★★作家性と言うと、アウトローであり、その監督しか表現できない世界だと思いますよね。でも本当の作家性とはそれでいいのでしょうか?大島渚や吉田喜重の松竹退社後の作品を作家性だと勘違いされているかたが多い。本当の作家性とは、プログラムビクチャーのような、会社からの押し付け作品のなかで、どうしても零れ落ちてしまう監督の個性こそを作家性と言うのだと思います。大島渚の本当の作家性は松竹時代のこの三作品こそが、時代、闘争、革命、犯罪、性を表現した最高傑作に思います。余談ですが北野武監督も、押し付けだった「その男凶暴につき」が一番作家性に溢れていた。その後の北野映画は、海外の評価は高いですが、ただの北野監督の遊び道具です。見る価値無し。黒沢清監督も哀川翔主演の「勝手にしやがれ」シリーズの頃が、押し付け作品の中で、個性を発揮していましたが、今のホラーは清水崇の方が面白い。黒沢清監督も昔に戻って欲しいですね。
大島映画に脈打つ根源的テーマを直截的に描いた作品集。
60年代から70年代に駆け、時代を疾走した“闘う映画作家”大島渚のBOX集第二弾は、“エロス”と“タナトス”、そして“犯罪”と“想像力”という大島作品に脈打つ根源的なテーマを、直截的に顕在化した作品集だ。日本最大のドヤ街釜ヶ崎を舞台に、社会の底辺で生きる人々の絶望的な環境と、その猥雑でアナーキーな様を活写した「太陽の墓場」、大島映画にしては珍しく夥しいカット数が印象的な代表作のひとつ「白昼の通り魔」は、中期以降の大島作品を支えた美術監督戸田重昌と、脚本家の佐々木守(先日逝去、合掌)が初めて参加した映画でもある。そして、深紅の無地のタイトル・バックに煙草の吸殻が落ち、中央部が焦げて黒点を形成し、まるで、大島映画のシンボリックな“黒い日の丸”を思い起こさせる「日本春歌考」は、荒木一郎や伊丹十三といった異能の才人に、串田和美、斉藤燐、吉田日出子ら自由劇場の面々が出演し、ラストの、首を絞められながらつぶやく田島和子の「真実ねっ」を筆頭に、全編不条理で観念的なイメージが蔓延しているが、極めて刺激的で、正に、“西のゴダール、東のナギサ”と評されたカルト的傑作だ。今回のBOX三部集で、既発のATG作品群を含め、ほぼ全ての大島映画がDVD化されたが、願わくば、更なるリスペクトが進み、「忘れられた皇軍」や「アジアの曙」といったTV作品まで、陽の目を見る日が来る事を願う。