原田知世.永瀬正敏.本上まなみ.松岡俊介

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発売日: 2007-06-22
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自身のライフワークとなった「戦争への静かな抵抗」を描く、黒木和男監督の遺作。昭和20年、春の鹿児島。戦時下にありながら平穏な生活を送る悦子だが、想いを寄せる明石少尉から結婚相手として同僚の永与を紹介される。出撃を控えた明石は、永与に彼女を託そうとしたのだ。戦争がなければ結ばれたであろう悦子と明石。明石の思いを知って、それを受け入れようとする悦子と永与。それぞれの痛々しいまでの決意がじんわりと胸を打つ。
悦子と兄夫婦の食事風景など、多くの場面がワンカットで撮影され、まるで舞台を観ているようだが、俳優たちの自然な演技に引き込まれる。本来なら大げさに表現されるべき感情も、それぞれの抑制された表情がかえって思いの深さを伝えるのだ。とくに明石の決意を理解したときの、原田知世はすばらしい。戦時下だが、おはぎや赤飯が印象的に使われ、その美味しそうなことと言ったら! このように小道具が際立つのも、黒木監督の的確な演出のなせる技だろう。戦闘シーンなど一切出さず、反戦を訴える名品だ。(斉藤博昭)
とても淋しい。
今や、作曲家の名前をみて映画を観ようと思うの松
村禎三さん、あなただけでした。あなたは、ずいぶん
前のインタビューでタイトルだけに音楽を付した『裁き
は終りぬ』(アンドレ・カイヤット)を映画音楽の理想と
していました。最後の最後で、とうとう自身でそれをや
りましたね。
ただし、『裁きは終りぬ』の中身は往年のルネ・クレ
ールの喜劇のようで、ちっとも面白くなかったのに対
し、本作がもともと戯曲が原作で、起承転結がきっち
りF.O.する構成なので、狙いはバッチリ。小編成の管
楽器が明確なメロディを奏で、あくまで静謐な劇との
対比が鮮やかでした。
いくら予備学生でも、決死の出撃を前にした明石少
尉(松岡俊介)あんなに落ち着いていられるのかなど、
特攻映画というとどうしても言いたいことが出てしま
うのですが、今回はやめます。松村さん、素敵な映画
音楽いっぱい書いてくれて本当にありがとうございま
した。
見事
小津安二郎みたいだな、と思っていたら、そういう伝統の中にいる監督らしい。
おはぎを食ってる場面はちょっと心配だった。
あの長い時間、間違ってやり直しなんてことになったら、あのおはぎ何個食うことになるのか。
悦子さんと一緒に泣いたね。気丈な人だよな。
飯を食う場面の本上まなみさんんの横顔の美しさにびっくりして、おいおい、戦争ものに
こんな美人出してきていいのかよ、とおもった。
戦争中にも美人はいたんだけど、だからって美人出していいというもんじゃない。
というわけで気になる女優になってしまった。
この監督は死んだらしいけど、この伝統は誰に引き継がれたんだろう。
戦闘シーンのない静寂の戦争映画、原田知世の珠玉の演技
日常生活から戦争の悲しさを描き続けた黒木監督の遺作、戦闘シーンのない戦争映画。
特攻隊に志願するために、愛するものを、生き残る可能性が高い友人に託してゆく若者、
失われる愛をその心の奥底にしまいこみつつも、残りの人生をたくましく全うしようとする娘。
血でなく、心でつながる家族たち。
昭和前半期の家庭の、ヒトとモノを大切にする素朴な生活スタイルの場面設定に原田知世が新鮮にマッチする。台本を読むたびに泣けたという原田さんの、嫁時代から老婆までを通しての清廉な演技が光ります。生きてゆくことの尊さ、かけがえのない時間を大切に生きることを考えさせられる、しみじみとした気持ちになる静かなる珠玉の一作です。