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天国と地獄<普及版>

天国と地獄<普及版>
三船敏郎;山崎努;香川京子;仲代達矢;木村功;三橋達也
天国と地獄<普及版>
定価: ¥ 3,990
販売価格: ¥ 2,953
人気ランキング: 1588位
おすすめ度:
発売日: 2007-12-07
発売元: 東宝
発送可能時期: 近日発売 予約可

隙のないシナリオによる重厚さが最高!
最近TVドラマを見てその出来ばえに失望し、改めてオリジナルを観ましたが、やはり素晴らしかった!
敢えて前半では犯人を声だけしか登場させず、かつ音楽も一切排し、登場人物のみならず我々の不安感も煽り立てます。逆に(ドラマではばっさり切り捨てられていましたが)警察の捜査状況が非常に丹念に描かれており、わずかな手がかりを手繰り寄せ、ようやく犯人にたどり着くカタルシスを得ることが出来ます。
個人的にグッと来るシーンは、三船扮する権藤が葛藤の末に身代金を払う決意を固め、淡々と銀行に電話するシーン、そして昔の道具箱を用意させ「何もかも一から出直しだ」とつぶやきながらカプセルを仕込むためカバンの加工をするシーンです。そして仲代達矢扮する戸倉警部らも、権藤氏の妻や秘書、運転手らとエゴ丸出しの言い争いを目の当たりにしながら(巧みに彼らを常に同席させている)、最期に腹を括った権藤氏の姿を見ることで、彼らの犯人逮捕への執念とつながってゆくのです。
ホットな三船とは対照的に、クールな仲代達矢も大変魅力的。当時まだ三十路を回ったばかりとは驚きの貫禄です。頭の回転が異常に速く、特急こだま内における緊迫した場面での的確な指示を出す姿は、警察捜査のお手本といえるのではないでしょうか。

リアリズム
物語が優先なのか?人間模写が優先なのか?考えさせられる作品だ。状況も設定も決めつけられ、ドラマの方向性が強引に決まっている中で、人間模写と言う選択肢が無い。犯人はどうしてこうなったのかと言う、犯人側の人間模写がほとんどない。被害者側から犯人を捕まえる物語だけなのである。加害者の真実が描かれていなければ、なんの解決にもならない。黒澤明のリアリズムとは?と疑問になった!

前半の室内シーンに注目
 特急こだまの車内シーンが有名ですが、実はこのシーンに切り替わる前の室内シーンが結構長く、カメラが権藤邸からほとんど出ないにもかかわらず、画面に引き込まれてしまいます。
 後半の犯人追跡の部分では、多くの指摘があるように仲代達矢の警部が犯人逮捕のためとはいえ、後で冷静に考えるとやややりすぎなのですが、観ている最中はそんなことが気にならないほど夢中になってしまいます。
 この作品をマーティン・スコセッシがリメイクするという噂が以前からあり、期待していましたが「ディパーテッド」の出来を見るとやめた方がいいような予感がします。
 以前のレビューで邦画のDVDの値段はまだまだ高いと書きましたが、今回の東宝の黒澤明作品の値下げは諸手を挙げて歓迎です。

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