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回路

回路
加藤晴彦
回路
定価: ¥ 3,990
販売価格: ¥ 3,990
人気ランキング: 32155位
おすすめ度:
発売日: 2007-07-27
発売元: 角川映画
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あいまいな楽観的未来
顔なしのような幽霊が「死は完全なる孤独。助けて?」と叫ぶシーンでは、「なんじゃこれ?」と思わず首をかしげてしまった。ホラーと呼ぶには、あまりにもびっくりするシーンが少なすぎるし、第一まったく怖くない。わざわざ丑三つ時に時間をずらして『死霊のはらわた』(古すぎちゃった?)や『リング』を鑑賞した私にとっては、かなり物足りなさを感じた。

「ひきこもって一人でインターネットばかりやっていると死にたくなっちゃうよ」と警告しているような内容だが、監督の言わんとすることがイマイチ伝わって来ない。黒沢清という人、どうも若者たちに希望の光を与えるのが好きなようで、『アカルイミライ』と同様に、ラストに<あいまいな楽観的未来>を提示している。

個人的にはそんな幻想を見せるより、アントニオーニのように<避けることのできない人間の絶対的孤独>を提示して、「人生そんなに甘くないよ」ということを若い時からきっちり教えといた方が良いと思うのだが、ゆとり教育ですっかり甘え癖がついてしまった現代の若者にとっては、黒沢のような優しい導き方がベターなのかもしれない。


日常に静かに迫り、広がっていく恐怖はやがて一挙に拡大した。
物語冒頭から、身近な人が一人ずついなくなる恐怖。(この部分に本作の魅力を感じます。)
その恐怖は、日常に静かに迫り、広がり、そして一挙に拡大した。
いきなりパソコンが勝手にインターネットにつながり、画面に「幽霊に会いたいですか」のメッセージが浮かぶ。

パソコンに映る自分の姿と部屋、モデムの接続音、薄暗くさびしいバス、赤いテープのあかずの間、頭にかぶった黒いビニール袋、
「助けて」の声と「助けて」の文字が一面に書かれた壁、幻ではなく実体を持ち触ることのできる幽霊(歩いてくる途中で、かくっとなる様が怖い)などなど、
象徴的で断片的なモチーフの積み重ねにより描かれる恐怖が効いています。

直前まで話していた知人、友人が、壁の人型の"染み"だったりというカットバックの妙や、
また、ワンカットでの飛び降りシーンは、その自然さにインパクトがあり、それぞれのシーンの描き方がさすがです。

キャストでは、麻生久美子が出ていたこと自体忘れていましたが、麻生、加藤、小雪と、当然ですが、みんなの若い頃を再見できます。
(黒沢監督は、とにかく普通の若者を使いたかったようです。)

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