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ニンゲン合格

ニンゲン合格
西島秀俊
ニンゲン合格
定価: ¥ 4,935
販売価格:
人気ランキング: 37193位
おすすめ度:
発売日: 2001-01-25
発売元: 東芝デジタルフロンティア
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昏睡状態から突然目覚めた青年が、父が経営していたポニー牧場の再建に尽力するが、すでに家族は散り散りになっていて、14歳のままの自分と瓦礫の山だけが残される…。
「失ったものはすぐ取り戻せるよ」と周囲の人々から言われ、「失ったもの=家族との時間」を求めて、西島秀俊扮する豊は14歳のままの純真さで、いたずらをし、友達と会い、とにかくよく走り、エネルギーを使い果たす。が、最後に豊が気付くのは、「失ったものなど、もともと存在しなかった」ということではないのか。
父は自分の夢へ、母は新しい家族のもとへ、妹はボーイフレンドとの生活へと各々戻っていく。そして、青年がぼんやりと思い描いていた、家族全員の再会は皮肉にも自分の葬儀の場で実現することになる。あまりにあっけない人生だったのに、エネルギーを使い果たした豊の最期はすがすがしい。
この作品はサム・ペキンパーの『ケーブル・ホーグのバラード』から着想を得て作られたといわれている。(野澤敦子)

ホラーとは違った黒沢監督の感性を味わえるせつなくも心に残るドラマ
交通事故のため、十年間を病院で過ごした吉井豊が退院して自宅の敷地で牧場を復活させ、バラバラになった家族が戻り始めたり、友人に会ったりして空白の時間が埋まっていく過程が非常に好きだ。「すきにやればいい、それが一番上手くいく。」そう語って母を迎え入れ、妹やその彼氏も牧場で働きだす。ちょっとコミカルでほほえましく、そして、発展していく吉井家と牧場。
それもつかの間、またバラバラになる家族。そして、落ちぶれた加害者との再会。豊と豊の家を中心に、癖のある人々との出会いや別れが繰り返され、切れそうで切れない人間のつながりを考えさせる。
退院後、自分の存在と存在価値を確かめたくて動き続けた豊にとって当初は「家族」こそが自分の存在を確かめるものであり、家族という狭い世界を向いていたが、最後には外へと目を向け、自らの存在を外に残そうと動き出したように感じた。そんな豊の心の成長を見て、「自分の存在」や「家族のあり方」についても考えさせられる。
それだけに豊の最後の言葉が印象深く、鑑賞後もしばらくは豊の姿が頭を離れそうにない。   

万人受けする作品では
この映画を見るかぎり、人間の果かなさや勝手な側面を浮き彫りにした作品だと思う。しかし、何で役所広司が主人公の青年にそんなに肩入れするのかが良く分らない。主人公が店を開くなどすぐ行動に移れるのが不自然に感じた。生きていく辛さを描きたかったかもしれないが全体的に舞台設定の甘さが目立つ。役所広司の廃棄物処理会社もその一つだ警察にばれず転々として生きていくことなど果たして出来るのだろうか、現実との差が余りにも目立つ作品だ。それに最後があまりにも諦観が漂い後味が悪いだけでなく、作品に対して反発感さえおぼえた。

傑作
 黒沢清は“溜め”がない映画監督だと思います。つまり、もったいつぶらない。説明的ではない。現実ではすべてそうです。
 映画の中で一瞬だけ、奇妙な形で家族団らんが成立するのですが、そのシーンが現代の稀薄さを生きることの難しさを象徴しているように思いました。

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