父ありき
笠智衆.佐野周二.津田晴彦.佐分利信.坂本武.水戸光子.大塚正義.日守新一.西村青児.谷麗光

定価: ¥ 1,000
販売価格: ¥ 1,000
人気ランキング: 4282位
おすすめ度:
発売日: 2007-08-20
発売元: Cosmo Contents
発送可能時期: 通常24時間以内に発送
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人生観が変わりました
本作は昭和17年製作、つまりは戦時中の作品でありながら、それを示唆するものは一切出てこない。軍服を着た通行人すらも。それだけでもある意味驚異の映画であると思う。それでは何故これで当時の検閲を通過したかというと、「父親の権威」を正面きって題材にしているからと伝え聞いた。もう少しあとの黒澤の「一番美しく」や木下の「陸軍」などが、軍のプロパガンダに迎合した(させられた?)ために、芸術としての価値をいかに貶めているかを考えると、やっぱり驚異の映画としか言いようがない。
もちろん映画としての出来も超一流。本人同士の意志に反して離れ離れになって暮らさなければならない笠智衆と佐野周二父子の愛情を極め細やかに、かつ叙情的に描いている。笠智衆は本作が初の老け役。それと当時の日本人がいかに礼儀正しいひとたちであったかが、本作を観るとよくわかります。それは検閲のせいであると反論するひともあるだろう。しかし昨今のTVや映画における不快で下品な言葉遣いにもはや吐き気が出るほどウンザリしている私にとって、本作には文化のオアシスのようなものを感じることができるなんて言ったら言い過ぎか?
戦前戦中を左翼的歴史観の影響で「暗黒の時代」と一方的に決め付けているひとたちはもちろん、すべての映画ファンは必見。小津自身はそんなことを全然意識していなかったのだろうけれど、今観ると日本及び日本人っていったい何なんだろうと、不意に考えさせられる映画です。