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氾濫

氾濫
若尾文子

定価: ¥ 4,725
販売価格: ¥ 4,725
人気ランキング: 34158位
おすすめ度:
発売日: 2006-10-27
発売元: 角川ヘラルド映画
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画期的な接着剤を開発した科学技師の真田(佐分利信)は、一躍ヒラから会社の重役の座に就いた。しかし環境ががらりと変わったことで、妻(沢村貞子)は生活が派手になり、ついには不倫の道へ。同じく放蕩を繰り返すようになった娘(若尾文子)は真田にとりいって貧しい生活から抜け出そうとする学生(川崎敬三)と関係を持つに至る。そして真田はかつての恋人(左幸子)と密会を重ねるようになるが、やがて接着剤が売れなくなり、一転して彼は窮地に追い込まれていく…。
伊藤整の同名小説を原作に、増村保造監督が人間の欲望を赤裸々に描いた問題作。出世によってもたらされた虚栄に家族が翻弄され、その果てに待ち受けるものはただただ空しい。しかし増村演出は、欲望に忠実なあまり錯乱していく人間の業を否定も肯定もせず、ひたすらエネルギッシュに描出する。それがこの稀代の名匠の他者と異なる秀逸な資質でもあるのだ。(増當竜也)

なんて読む?
★★★★★最初「氾濫」が読めなかった(笑)増村保造監督は東大を出て大映に入社し、イタリアでネオリアリズモを学んだと言う。増村保造の映画はどこか日本的では無い。今村昌平の土着性と対称的である。その彼がネオリアリズモを踏まえたうえで、日本の土着性を描いた傑作である。男も女も金と欲にしか興味ない。新ためて見直すと、こんな話は見たく無い(笑)と思うくらい、増村保造の視点は鋭いのである。

本質は変わらない
名匠増村保造監督と若尾文子のゴールデンコンビの作品だが,主役はあくまで佐分利信であり,この群像劇を彩る大映の名優たちである。

人間の欲というのは,こうも汚く際限ないものかというのを,増村監督一流のエネルギッシュでどぎつい演出でグイグイ観るものを物語のなかに引っ張って行く。主人公佐分利信を狂言廻しに,出てくる人間殆ど全てが欲望丸出しの汚い人間ばかりで,まともな人間は若い科学者(川崎敬三)の元恋人ぐらいである。
また,この若い科学者役の川崎敬三が金銭欲,出世欲,色欲とあらゆる欲に忠実に自分を変えてゆく様は,この役にぴったりで,裏主人公とうい感じで良くできている。

重厚な演技の佐分利信,不安定な妻を見事演じる沢村貞子,若く魅力的な若尾文子,変幻自在な船越英二,妖艶な左幸子とこの群像劇を支えているのは,この出演者があってこそであるのが強く分かる。
そのほかにも,佐分利信の科学者仲間の多々良純のとぼけた味わいや,お花の先生の伊藤雄之助の芸達者ぶりも楽しませてくれる。

物語の内容は,色と欲と名誉に翻弄された人間の愚かさを描いているが,何十年前から本質的に何も変わっていないのが,この映画を観ると良く分かる。映画のなかに出てくる日常の風俗は変わっても,人間の欲は際限なく氾濫していることは,増村監督はこの映画の普遍性で証明して見せている。


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