Top >  007今井正 >  にごりえ

にごりえ

にごりえ
久我美子

定価: ¥ 4,935
販売価格: ¥ 4,935
人気ランキング: 31943位
おすすめ度:
発売日: 2004-10-22
発売元: エースデュースエンタテインメント
発送可能時期: 通常1~2週間以内に発送

いとしいとしというこころ
表題作の「にごりえ」が注目されがちだが、現在ではもう描かれることはないだろう形の戀を、余韻を残して表現した「十三夜」が秀逸。
身分違いの結婚をした娘、彼女に華族様の良き妻であることのみを要求する父親、娘に同情しつつ何も出来ない母親、不穏な空気だけを感じ取っている弟。こう書いてしまえば現代でも十分ありそうな感じだが、この明治時代に彼らを縛っていた目に見えない何かは、もう私たちの時代には残っていないのだ。
思いがけず初恋の人との再会を果した夜は、ただ息子のためだけに死んだまま生きることを選択した夜でもあった。一緒に月の下を歩いたこの夜を最後に、彼らの人生が交わることは今後一切ないのだろう。忍耐するが故の儚さ、切実さ、美しさをこの映画に見ることができる。
しかし録之助役の芥川比呂志は第一声でただの車夫ではないことが分かる。さすがと言うべきなのだろうか。

3話オムニバス

明治おんなの生き様を、古い話として看過するのはたやすい。
けれど、生活であれ、恋であれ、夢であれ、秘めた情念のあり方
に時代の移ろいは無いものと知れる。

ほぼ樋口一葉の原作どおりにすすむ「にごりえ」の、杉村春子は
どうだ。白髪の老女役しか知らなかった私には、日本にこんなに
うまい役者さんが昔からいたのか、というため息をもたらす。

白黒邦画はほとんど擦り切れビデオの見回しなので、文化的価値と
してのDVDは貴重品ですらある。

 <  前の記事 また逢う日まで  |  トップページ  |  次の記事 海軍特別年少兵  >