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無常

無常
田村亮
無常
定価: ¥ 4,935
販売価格: ¥ 4,935
人気ランキング: 27218位
おすすめ度:
発売日: 2003-12-21
発売元: ジェネオン エンタテインメント
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琵琶湖近くの旧家、日野家の長男でありながら父の後を継ごうともせず仏像の研究に没頭している正夫(田村亮)と、なぜか持ち込まれる縁談を断り続けている姉の百合(司美智子)は、ある雨の日の午後に一線を越えてしまった。やがて百合は妊娠してしまうが、正夫は彼女を書生の岩下(花ノ本寿)と結婚させ、自分は仏師(岡田英次)に弟子入りする……。
『ウルトラマン』や『怪奇大作戦』など数々のテレビ名作を手掛けてきた実相寺昭雄監督の長篇劇映画第1作。近親相姦を通して独自のエロティシズムを醸し出しつつ、仏教感覚など日本人の精神風土を追求した野心作である。1970年ロカルノ国際映画祭グランプリ受賞。(的田也寸志)

リメイクされるべき傑作
背徳的エロスの生み出す秩序破壊作用は創造性と表裏一体の関係にある。涅槃は単なる無に過ぎず、そこには快楽も安寧も存在しはしない。死せる後一切は無である。そこに宗教が根源的に持つ欺瞞を見出した主人公は、妹と背徳的関係を結ぶことにより、一切の秩序・境界線を超越する。私は、この主人公に圧倒的な共感を覚える。これほどまでに斬新な映像が30年も前に作られたとは驚きだ。これは何らかの形でリメイクして欲しい。

ATG黄金期の一作
ATG黄金期の1970年度作品。新作には総て期待感が溢れ、小劇場は活況だった。そういうプレッシャーの中でテレビ畑の実相寺昭雄は劇場映画第1作目の本作で後世に残る傑作を生み出した。大島組・石堂淑朗の脚本の力も大きい。姉弟相姦・母子相姦・三角関係相姦・自殺に腹上死・熱気に満ちた仏教バトルなど過激な内容を実相寺監督はシャープな映像で描く。パゾリーニに対抗意識を燃やしたような反宗教的テーマは大島渚の反国家的テーマと同じく挑発的で殺気に満ちている。仏像彫師が「子供は人間の夢」と言う。それに対し主人公の田村亮が「でもそれは所詮、夢です」と答える。その台詞はその後ノスタルジックな傾向に進む世界映画へのアンチテーゼに聞こえた。                                            1970年まで世界的に進められてきた文化的大革命的な映画群。ヌーヴェルヴァーグ(仏)・怒れる若者たち(英)・アメリカンニューシネマ(米)そしてATG(日)。これらが総て30年前。時代的後退を思う今日、当時のその過激さも又無常と片付けられていいものなのか?
SEXシーンにラジオ体操が流れエロスを漫画化し、ピリピリしたドラマ進行中に司美智子歌う子守唄がかぶさる。菅井きん登場のシュールな場面の後、長い石段を登るヨチヨチ歩きの子供と司美智子。ダサい歌入り、固定カメラで延々と撮っている。以後の世界映画の象徴か?

実相寺流、愛と芸術
実相寺はATGで4作、作品を撮っているが、本来はテレビディレクターで、ウルトラマンなどの特撮を撮っていた人。それが自分の作りたい映画を作っているようで、性、恋愛、宗教、芸術などに関する深いテーマが、悪魔の様な主人公の田村亮の理論によって、一本化する。その理論は弁証法的であり、ある意味では普遍的な東洋的美徳と西洋の合理主義との対決を描いているようでもある。
低予算を白黒フィルムなど映像表現でカバーしている点でも評価できる。

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