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スパイ・ゾルゲ

スパイ・ゾルゲ
イアン・グレン
スパイ・ゾルゲ
定価: ¥ 6,300
販売価格: ¥ 6,300
人気ランキング: 36564位
おすすめ度:
発売日: 2003-11-21
発売元: 東宝
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

第二次大戦下の日本で、特高警察に逮捕されたソ連のスパイ、リヒャルト・ゾルゲ(イギリスの舞台俳優、イアン・グレン)。彼の知られざる平和への思いと、彼と共にスパイ活動に殉じた日本人ジャーナリスト尾崎秀実(本木雅弘)、彼らを支える女たち、スパイに翻弄される日本の中枢の男たちの姿を描く歴史大作。本木雅弘はじめ、椎名桔平、上川隆也、葉月里緒菜、小雪らフレッシュな役者陣が映画を彩っている。
軍部や政府の機密情報がモスクワに筒抜けになっていた「ゾルゲ事件」は、第二次大戦下の日本を揺るがせた大事件。この事件を軸に、ゾルゲを巡る恋やゾルゲとともに逮捕された尾崎の夫婦愛、彼らを落とそうとする特高警察や政治家たちの焦燥など、たくさんのエピソードを詰め込んだ本作。欲張り過ぎのきらいはあるが、複雑な人間関係をわかりやすく見せているので、昭和史を学ぶつもりで見るといいかもしれない。でもゾルゲをちょっと美化しすぎ?(茂木直美)

娯楽作品ではなく、古写真に想いを馳せるような、そんな映画。
男の孤独な戦いを描いたハードボイルド映画であり、二十世紀最大のスパイ事件を描いた
スペクタクル映画であり、激動の時代を生きた人々の群像、ドキュメンタリー映画である。
よくもまあ、こんな映画に纏め辛い題材を纏め上げたものだと思います。
ゾルゲ事件を描くためには、当時の複雑な社会情勢について説明しない訳にはいかず、
三時間の大長編となるのも無理はなく、結果、ゾルゲや尾崎といった人間の掘り下げが足り
なくなり、観客の感情移入を難しくしているのだが、そもこの映画はゾルゲや尾崎といった
コミュニスト達を軸に描いてはいても、彼等がどの様な思想を持ち、
どの様な世界を思い描いていたのかは「平和」などの言葉で代替されるのみで漠として語られないのです。
劇中ゾルゲが口にする「戦争回避」は日ソ開戦の回避に過ぎないし、尾崎に至っては
「戦争を乗り越えなければ」なんて言っている。英雄視などしていないのだ。
思想も何も語らない代わりに「平和」ばかりを口にするため通り一遍的な平和主義者として
描かれているように思われがちだが、そうではなかった。
これは彼等を主に据えたヒロイック映画ではないのだ。おそらく、監督が見せたかったのは
彼等個人の生き方ではなく、彼等を通して激動の昭和初期という、
私のような若い世代にとっては黒塗りにされ、捉え辛く、調べるにも暗い恐ろしさを伴う
時代とその時代が生み出したひとりの怪物の歪んだ人生と破滅ではなかったのでしょうか。
同監督の作品「暗殺」と通じるものがあるように思います。

売りの一つであるCGは美しさと嘘くささが混じり合い、映画と程良く溶け合っています。
池辺晋一郎氏の音楽も、時代の緊張感といったものを高めてくれています。
小道具など時代考証は徹底しており、ほか226事件の高橋是清暗殺やビラ投下、青年将校の処刑、真珠湾攻撃前の海軍による演習という時代の沸騰と、穏やかな古き良き日本の風景などを情感豊かに表現しており、こういった滅多に映像化されないクラシックな日本を味わせてくれる点で貴重な映画と言えるでしょう。

宣伝が悪く作用した、実に戦前日本らしい映画。
後年の再評価を期待したい。


■作品への期待は人様々ですが、これはいい映画です。
■映画のプロモーション、予告のせいで、
作品に対して、ズレた期待を持たせてしまったのが、
辛口レビューが増えた理由でしょうか?

同時代的にゾルゲと尾崎をとりまく事件を描ききる事業に、
篠田監督の才能や感性で、充分に応えている作品だと思います。
篠田監督作品の重要な柱一つです。

時代環境が、人格や、思想、事件を創り出していく。
その中で個人、家族を含む人間関係、生活が巻き込まれていく。
戦時下でのスパイ事件の背景と意識すると、
築地や銀座のCG風景も、妙に緊迫したものに見えてくる。

自分としては、今回篠田監督か創ったこの風景の中で、
ダラダラと遊び、フラフラと歩きまわりたいと思ったほどで、
歴史作品に観客を擬似体験よろしく取り込める環境芸術としての技量の
高さを示していると思う。

是非、映画のソースを用いて、長尺のテレビドラマ化や、
同時代を擬似体験できるロールプレイングゲーム化などするのも
楽しいだろうと思う。

「写楽」も、篠田監督の風情を感じてよかったが、
江戸の粋だけではなく、近代軍政下のスパイの魂をも、
「人ゆえの喜怒哀楽」を基点に、うまく表現しきる篠田監督の仕事に
敬意を表します。

今話題の人間魚雷回天を扱った「特攻の島」などは、
ぜひとも篠田監督にお願いしたい原作だと思いました。

悪くはない
少し自虐史観というか旧日本軍に対して相変わらずのイメージを出しているような気もするし、朝日新聞の尾崎を英雄視し過ぎているような気もするが、戦争回避を断念せざるをえなかった日本を描いたり、アメリカのずるい外交をちゃんと描いたところは評価できる。ゾルゲをあまり知らなかった私のような人間から見ると、映画自体は結構うまく作られていると思う。
ただ二点ばかり気になる点が。一つは映画の最後の部分。男と女の問題にとやかく言うのは野暮であるが、ゾルゲはおろかゾルゲの正体を知らずに愛人になったであろう人まで英雄視するのはどうかと思う。ゾルゲと共産主義の夢を共有して愛人になったわけではないのだろうから。
二点目はゾルゲをなぜ英雄視する必要があるのだろう。私は構造論的マルクスは好きだし原始共産主義も好きだ。ただゾルゲの信じたマルクス主義は今とはまったく違う。しかも理想のために正体を隠しているのはわかるが、映画の中では共産主義者のはずなのに貧困層を哀れみの目でしか見れず、バイクを乗り回して女遊びに興じ、挙句の果てには日本が好きだと言いながら奥さんいるのに愛人を作ってしまう節操のなさ。こんな人間に異文化理解がどうのとか世界平和がどうのと言って欲しくないし、人間的魅力もまったくない。まあ当時の情勢でゾルゲの重要性があった可能性は否定できないし歴史的には少しは重要かもしれないが、世界平和を愛しながら国家に翻弄され死んでいった悲劇のスパイとして描くのはどうなのだろうか?なんか最近日本映画に共産主義革命の闘士やテロリストを英雄扱いするような映画が流行ってきているような気がするのだが私の考えすぎなのだろうか?

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