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裸の島

裸の島
乙羽信子
裸の島
定価: ¥ 4,935
販売価格: ¥ 4,343
人気ランキング: 30803位
おすすめ度:
発売日: 2001-08-10
発売元: パイオニアLDC
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

命よりも大切な水運び
少人数のスタッフと低予算で作りあげた本作品は、瀬戸内海の小島を舞台にした無言劇だ。セリフが無いといより、セリフの必要性を感じない作品といった方が妥当かもしれない。

見上げるほどの斜面に作られた畑と乾いた土。<命よりも大切な水>を肥え桶に入れて、日に何度も本土と小島を往復する様が執拗に映し出される。何も持たずに登るだけでも大変そうな急斜面を、ゆうに30kgを越えそうな水の入った肥え桶をかつぎながら畑まで運び上げる農婦を、どちらかというと華奢な体の乙羽信子が吹き替えなし演じている。

しかもそのシーンが1回や2回ではなく劇中何十回も登場する。女優の細い肩に食い込む渡し棒が痛々しく、途中でDVDを早回ししてしまったくらいだ(新藤監督ごめんなさい)。今時の女優なら1回でも音を上げそうな酷役を見事にこなしている昔の女優さんは、やはり今と鍛え方がちがうのだ。

現代社会が抱えるような家族問題は、日々過酷な自然と一致団結して戦っているこの瀬戸内の農家にはおそらく存在しない。ドメバイや親殺しに引きこもり。生活に余裕があるからこそ生まれる贅沢病を、この一家が見たら一体どのような感想を持つのだろう。

『EUREKA』を撮った青山真治はゴダールをリスペクトしているらしいが、あんな冗長な作品しか作れないのだったら、この作品を見て勉強し直した方がいい。無言劇と長回しの基本を、きっとこの名作から十分に学べるはずだ。


美しい瀬戸内海の島の話
今までのビデオソフトと違ってDVDソフトは画質は勿論いい
のだけれど副音声に監督の解説などがはいっていて興味深い。
この作品には監督と音楽を担当した林光の解説が入っている
が、これがまた楽しい。作品の成立過程や当時の社会状況、
撮影苦労話、一つのモチーフ(曲)で全編を貫いたこと等々
思わず聞き入ってしまう。
 この映画の成功要因の一つに音楽(テーマ曲)があるのは
間違いないだろうが、それを作曲者の解説を聞きながら映像を
観られるなんて、なんと贅沢だろう。「萱野茂」さん的な見事な
話術を彷彿させる新藤監督の話も滋味がある。乙羽さんは運動神経
よかったけれどと殿山泰司はダメ(天秤担ぎ)・・など興味は尽きない。

 話に起伏を付けるための子供に関する「ある」エピソードなど
なくてもいいような気もするが、とにかくこの映画は日本人の記憶に
残る映画に違いない。

 最後の最後でやっとでる島の全景。 すばらしエンディングとしか
言いようがない。

ソルジェニーツィンが「強烈な印象を与えられた」と絶賛した映画
 私が、この映画(『裸の島』)の名を知ったのは、『イワン・デニーソヴィチの一日』や『ガン病棟』等の作品で知られるロシア(ソ連)の作家、ソルジェニーツィンが、1970年前後に、日本の新聞(東京新聞であったと記憶する)によるインタビューの中で、この映画(『裸の島』)について語って居るのを読んだ時の事だった。??彼は、そのインタビューの中で、『裸の島』を、「強烈な印象を与えられた」と言ふ言葉で絶賛して居た。??それから、数年後、都内の自主上映でこの映画を観た時、私は、ソルジェニーツィンがこの作品を絶賛した理由が分かった気がした。言葉の無いこの映画が私に語る物は、強烈であり、深かった。この映画は、言葉を持たない故に、上のソルジェニーツィンの賞賛がそうである様に、世界のあらゆる人の心を、直(じか)に打つのである。??数年前、アメリカの或る音楽家にこの映画のビデオをプレゼントした事が有る。この映画を観た彼女の感動も深い物だった。
 この映画は、『砂の器』(野村芳太郎監督・1974年)に似て居るかも知れない。それは、この映画が、かつて、この国に在った貧しさを、美しい自然の中で描く事によって、見る者に、その貧しさの悲劇をより鮮烈に印象ずけて居るからである。
 若い世代に見続けて欲しい、日本映画の名作である。小学校の総合学習で、生徒達にこの映画を見せたら、とても良いのではないだろうか?(日本の学校は、生徒達に、日本映画の名作を見せる時間を設けるべきである。)

(西岡昌紀・内科医/畠山彩香ちゃんの冥福を祈りながら)

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