Top >  041高橋伴明 >  光の雨 特別版

光の雨 特別版

光の雨 特別版
萩原聖人

定価: ¥ 4,935
販売価格: ¥ 4,343
人気ランキング: 21773位
おすすめ度:
発売日: 2002-12-21
発売元: ハピネット・ピクチャーズ
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

連合赤軍のリンチ事件を題材にした小説『光の雨』が映画化されることになり、若手キャスト(結木奈江、山本太郎ほか)が集結して撮影に入るが、まもなくして監督(大杉漣)は失踪。彼は赤軍を同時代を生きた男でもあった。代わって、それまでメイキングを回していた新進監督(萩原聖人)がメガホンを取り、撮影は続行される…。
高橋伴明監督が、これだけは撮らないと自分の20世紀は終わらないとの覚悟で取り組んだ社会派青春映画の傑作。立松和平の原作が劇中劇として描かれ、当時の若者たちの思想を理解できず、混乱しながら役を演じていく若手俳優たちのドラマとクロスしていく。理想を追い求めた果てが仲間同士の殺りくであったという痛恨。それは決して過去の出来事理ではなく、閉塞的現代とリンクする歴史的重要な惨劇であったことまで思い知らされる、必見の作品。(的田也寸志)

所詮は人間も動物
立松和平の同名のタイトルの小説を映画化したもの。

思想だけで時代を乗り越え、また人を動かそうとした学生運動がどうして失敗したかがよく分かる。

思想だけですべてを変えようとした人々が、思想によって滅ぼされていく。

なんとも皮肉なことだが、所詮は人間も動物である。

その辺りの心理描写が実に巧妙であった。

連合赤軍事件の入門編としては最適
おそらくこの映画を見た人は、次の点で疑問を持つのではないか。
一つは、総括に暴力が使われたことまでは理解できても、なぜ殺すところまでやったのか。
もう一つは、自分も殺されることを予感しながら、なぜ逃げ出そうとしなかったのか。
おそらく演じていた俳優達も、「なぜこんなことを、彼らはド真剣にやっていたのだろう?」と、モヤモヤしたまま演じていたに違いない。だから何かと台詞が上滑りして、学芸会的になっていたのも無理もないと思うのである。しかし劇中劇という手法をとることで、演者の迷いと、見ている人の戸惑いがシンクロして、かえって効果を上げていたように思う。つまり自分も演者の一人となって、この事件の真相に踏み込みたくなってしまうのである。実際、私はこの映画を見た後、どうしてもこの事件をウヤムヤにしておれない気分になり、赤軍兵士たちの手記を何冊かむさぼるように読んだ。それでようやく謎が解けてきた。連合赤軍事件は、その常軌を逸したという点で、また警察・市民サイドと連合赤軍サイドとでは、同じ事件がまるで違った見え方をするという点で、稀有な事件と思う。さらに連合赤軍側でも指導部と一般兵士とではまた違った見え方がする。それはあたかも『藪の中』のようでもある。映画は制作者の誠実さも感じられ、連合赤軍事件の入門編としては最適ではないでしょうか。


総括しろだって、チキショー!
原作を読んで見たくなりました。あの事件をストレートに表現しづらいのはとても理解できます。映画中映画にして、俳優たちを時々解放してやらないととても最後まで見られません。でも、ここまでクッションを置いてもなお、高橋伴明が監督を失踪させてしまうのは何故なんでしょう。「自分にはこの映画を撮る資格がない」とか思いながら撮っていたのだとしても、この件(くだり)が免罪符になるわけでもなかろうに。でも監督に届けられる歌「革命の 核角飛車取り 西瓜売り 誰何(すいか)するのに 返事をせぬか」は妙に意味深であります。
ラストの雪合戦のように明るく革命ができるはずはありません。当時の弾圧を考えれば、武装闘争を選択した集団が内部で同志に厳しくなるのも理解できます。でも、出口の見えない「総括」を求め、暴力をもって「総括援助」するのは間違いだって、誰も言えなかったのが怖い。「総括しろだって、チキショー!」って、もっと早く言って欲しかった。

 <  前の記事 TATTOO「刺青」あり  |  トップページ  |  次の記事 火火  >